　人形を、操る音が、昼下がり。

　喧騒の中、静かに一つ。

　パペットは、若い男に、操られ、面白おかしく、

　活き活きと、踊っている。

　取り囲む、子供の顔に、笑顔がともる。

　笑い声、波紋のように、広がって、更に多くの、笑う声。

　操られ、木彫りのパペット、楽しく踊る。

　だけれども、時は過ぎ去る、いつの日か。

　いつの日か、男は老いて、肉落ちた指は、木彫りのパペット、操れず。

　子供達に、笑顔の一つ、上げること、出来なくなって。

　いつの日か、男は老いて。

　白濁した目、既にパペット、吊る糸を、見定められず。

　子供達に、笑顔の一つ、上げること、出来なくなって。

　だけれども、時が過ぎ去る、いつの日か。

　忘れ去られた、廃屋に、木彫りのパペット、

　破れた壁に、置いてかれ、吊るされて……。

　揺れている、風に吹かれて、カラカラと。

　踊っている、風に揺られて、カラカラと。

　いつまでも、いつまでも……、いつまでも、一人静かに、カラカラカラと。

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